本研究は,カメラで捉えることが難しい物体の微小運動を推定する手法を提案する.
	提案手法では,対象にレーザー光を照射したときに生じるスペックルパターンを利用する.
	スペックルパターンは物体表面に対するコヒーレント光の相互干渉によって生成されるパターンであり,
	カメラに対する奥行き方向の動きにより大幅に変化する.
	このパターンの時間変化は連続であり,表面の動きの度合いに依存するため,
	低次元埋め込みによる運動解析が可能である.
	スペックルパターン
	(a)は,コヒーレントなレーザー光を照射した場合の,物体表面のスペックルパターンの一例である.
	入射光のパワーが均一であるが,カメラで斑点模様が観察される.
	表面が振動すると,右の3枚の画像のようにランダムにパターンが変化する.
	(b)は,物体の粗い表面の複数の点でコヒーレント光が反射される様子を示している.
	各点からの反射光は異なる位相を持っているため,相互干渉が発生し,
	カメラの位置に応じてスペックルパターンは大幅に変化するが,
	相対位置が同じ場合には再現される.
	
	スペックル変化による変位推定
	ピクセル周辺の局所パッチを,ピクセルの特徴ベクトルと見なした場合,
	特徴ベクトル間の距離は,表面位置の差の尺度として使用できる.
	提案手法では,次のステップで微小な動きを解析する.
	
		- 各ピクセルの周りの局所パッチの特徴ベクトルを低次元空間に埋め込む
 
		- 低次元空間を隣接するピクセル間で首尾一貫させる.
 
		- 局所平面パラメータが,低次元空間に適合するように最適化する.
 
	 
	
		 
		推定される平面パラメータ
	 
	音による振動の可視化
	以下,提案手法により,各周波数の音波を可視化した結果である.
	音が疎密波として伝搬している様子がわかる.
	 
	提案手法による音波の可視化の結果
	
	
 
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